3年目の住宅ローン控除証明書に残高が載らない人
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住宅ローン控除の証明書で、年末残高の欄が空欄になっている人がいます。空欄は手違いではなく、国税庁の案内どおりの仕様です。
対象は、調書方式に対応した銀行でローンを組み、証明書を「書面」で受け取ると選んだ人です。国税庁のチラシ(令和7年10月版)では、書面で届く証明書に年末残高と控除見込額が載るのは入居2年目分だけとされています。2024年に入居した人なら、2026年分の年末調整が最初の空欄の年です。
この記事でわかること。
- 自分が空欄の対象かどうかを見分ける3つの条件
- 返済予定表のどの数字を、申告書のどこに書き写すか
- 来年以降も残高を印字してもらうための手続き
Q1 空欄になる人の3つの条件
空欄になるのは、次の3つがすべて当てはまる人です。
- 2024年1月以降に入居した
- 借入先の金融機関が調書方式に対応している
- 1年目の確定申告で、証明書の受取方法を「書面交付」にした
調書方式とは、金融機関が税務署に年末残高の調書を出し、国税当局から本人に残高の情報を届ける仕組みです。国税庁のよくある質問によると、実務上は2024年1月以降に入居した人から、対応を終えた金融機関の順に移っています。2023年以前に入居した人は、実務上、借入先がどこでも従来の証明書方式です。
対応済みの金融機関は、国税庁が一覧で公表しています。令和8年7月時点の一覧から一部を抜き出します。
- 対応開始が令和6年:北洋銀行、千葉銀行、福岡銀行、八十二銀行
- 対応開始が令和7年:みずほ銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行、横浜銀行
- 住宅金融支援機構(フラット35):令和7年10月から
一覧には「年の途中から対応を始めた金融機関もある」との注記があります。入居した年が対応開始の年と重なる人は、契約時の書類か銀行のサイトで方式を確かめてください(最終確認日:2026-09-17)。
Q2 空欄の証明書の使い道
空欄の証明書も、そのまま年末調整に使います。国税庁のチラシでは、書面交付を選んだ人に入居2年目の11月下旬頃、2年目以降の全年分をまとめて郵送するとしています。残高が印字されるのは、そのうち最初の1枚だけです。
北洋銀行の案内も同じ内容です。2年目のみ残高が記載され、3年目以降は返済予定表などから年末残高を転記するよう求めています。空欄の年は、自分で残高を書き込んで初めて完成する書類と考えてください。
2024年入居の人の場合、年ごとの状態は次のとおりです。
- 2025年分(2年目):残高と控除見込額が印字済み
- 2026年分(3年目)以降:残高も控除見込額も空欄
一括で届いた束の中に、翌年以降の分が入っています。使い終わった年の分と一緒に捨てないよう、束のまま保管してください。
Q3 返済予定表から写す数字
書き写すのは、返済予定表に載っている12月分の返済を終えた後の残高です。年末残高は12月31日時点の金額を指すため、11月分の残高を写すと控除額がずれます。
返済予定表は、借入先の銀行から受け取っている書類です。北洋銀行のように、銀行アプリで返済予定表を確認できると案内している銀行もあります。
繰上返済をした年の数字
繰上返済をした年は、予定表の数字をそのまま使えません。国税庁の記載例の注記では、繰上返済などで実際の年末残高と記載が異なる場合、実際の残高で計算するとしています。
電子交付で残高が印字される人も、この点は同じです。国税庁のよくある質問では、金融機関は2年目以降、その年の10月31日までに「年末の予定残高」で調書を出します。11月や12月に繰上返済をした人は、印字された残高も実際とずれます。繰上返済後の返済予定表を見るか借入先に問い合わせて、12月分の返済後の残高を確かめてください。
Q4 控除額を出すまでの計算
空欄の年は、控除見込額も自分で計算します。証明書と一体になった「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」の欄を上から埋めていく流れです。
国税庁の記載例(令和6年入居・省エネ基準適合の新築)を使うと、次の順番になります。
- 土地と建物をまとめて借りた年末残高 3,950万円を書く
- 連帯債務の負担割合 50%を掛けて 1,975万円にする
- 取得対価の額と比べて少ない方、居住用割合を順に当てはめる
- 1,975万円に 0.7%を掛けて 13万8,250円
- 100円未満を切り捨てて、控除額は 13万8,200円
割合や取得対価は証明書にすでに印字されているので、自分で探す数字は年末残高だけです。記載例では限度額の欄に最高3,000万円、控除額の最高21万円と印字されています。この上限は入居した年と住宅の種類で変わるため、自分の証明書の印字で確かめてください。
ペアローンや連帯債務で夫婦それぞれが控除を受けている場合は、それぞれの証明書で同じ作業をします。借入先が2か所以上ある人は、すべての残高を合計して書き込みます。
なお、合計所得金額の見積額が2,000万円を超える年は控除を受けられません。床面積40㎡以上50㎡未満の住宅は、この基準が1,000万円です。国税庁の説明書に記載があります。
Q5 来年から残高を印字してもらう方法
残高入りの証明書を毎年受け取りたい人は、電子交付に切り替えます。国税庁のチラシによると、3年目以降も残高入りの証明書が必要な人は「年末調整のための住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続」をして、電子交付を希望します。
申請の方法は次のとおりです。
- 出し方:パソコンのe-Taxソフトで送るか、書面を税務署に持参・郵送
- 出す先:住所地(納税地)を所轄する税務署
- 時期:決まりはなく、申請した後の年分から送られる
電子交付を選んだ人の証明書は、毎年11月中旬頃にe-Taxのメッセージボックスへ届きます。今年の年末調整に電子の証明書が間に合うかどうかは、国税庁の案内からは読み取れません。今年分は返済予定表から書き写す前提で準備し、切り替えは来年分に向けた手続きと位置づけるのが確実です。
勤務先がデータでの提出を受け付けていない場合もあります。その場合は、e-Taxの「QRコード付証明書等作成システム」で書面に出力して提出できます。
電子交付の証明書は、e-Taxにログインして受け取ります。マイナンバーカードでログインする人は、カードの電子証明書が発行から5回目の誕生日で切れる点に注意してください。11月に証明書を取りにいく前に期限を見ておくと安全です。
Q6 2年目の人がいま確認すること
2025年に入居して今年が2年目の人は、まだ空欄を経験していません。書面交付を選んでいれば、2026年11月下旬頃に今後の年分がまとめて届きます。
- 届いた束のうち、2026年分だけに残高が印字されている
- 2027年分からは空欄になる
- 印字を続けたい人は、交付申請で電子交付を希望しておく
1年目の確定申告で電子交付を選んだ人は、11月中旬頃にメッセージボックスを確認します。
借入先が証明書方式の人
借入先が調書方式に対応していない人は、従来どおり2種類の書類を勤務先に出します。税務署から届いた証明書兼申告書と、金融機関から届く年末残高等証明書です。国税庁の説明書では、年末残高等証明書は各年の11月下旬頃に金融機関から送られます。
年末残高等証明書が年末調整に間に合わないときの扱いは、国税庁の質疑応答事例にあります。確定申告で控除を受けられるほか、翌年1月31日までに証明書が届けば勤務先に出して年末調整をやり直してもらえます。
Q7 証明書をなくした場合
税務署に交付申請書を出すと、再交付を受けられます。Q5と同じ「年末調整のための住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続」で、再交付を求める人もこの手続きの対象です。
書面で申請する場合は、国税庁のサイトから申請書のPDFをダウンロードして記入します。税務署の窓口に代理人が行くときは委任状が必要です。年末調整の書類の提出期限は勤務先ごとに決まっているため、なくしたと気づいた時点ですぐ申請してください。間に合わなかった年は、確定申告で控除を受けられます。
返済予定表を開いたついでに見ておく数字
年末残高を書き写すと、控除が終わる年に残高がいくら残るかも同じ表で見えます。年末残高に0.7%を掛けて控除額が決まる年は、繰上返済で残高が減るぶん控除額も減ります。一方で利息の負担は軽くなるため、どちらを優先するかは金利と残りの控除年数で変わります。
教育費や老後資金との兼ね合いまで含めると、住宅ローンの表だけでは決められません。家計全体の数字を第三者と並べて見たい人は、無料のFP相談を使う方法もあります。
空欄の証明書に自分で足す数字は、返済予定表にある12月分の返済後の残高です。11月に書類が届く前に、返済予定表の置き場所だけ今月のうちに確かめておいてください。
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参考情報
- 国税庁「(調書方式に対応した金融機関から借入れをされた方へ)年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期について」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/pdf/05.pdf
- 国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)に関するよくある質問」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/qa.htm
- 国税庁「年末残高調書を用いた方式(調書方式)に対応した金融機関の一覧」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/ichiran.htm
- 国税庁「年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける方へ(令和6年居住者用)」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/jukari/nencho-jukari.pdf
- 国税庁「A1-39 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/36.htm
- 北洋銀行「住宅ローン控除を受けるお客さまへ」 https://www.hokuyobank.co.jp/person/loan/house/deduction.html
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