医療費控除で税金を取り戻す!30代が知るべき完全ガイド
「病院代ってこんなにかかるの…」と毎月の出費に驚いていませんか?
30代は自分の体の不調だけでなく、子どもの小児科、親の通院のサポートなど、医療費がかさみやすい時期です。でも、年間の医療費が10万円を超えていたなら、確定申告で税金を取り戻せます。
これを「医療費控除」といいます。
多くの人が存在は知っていても「面倒そう」「自分には関係ない」と思って使っていません。でも実はe-Taxなら自宅で30分ほどで手続きが完了します。しかも過去5年分の申告ができるので、今からでも遅くはありません。
「高い医療費」が節税チャンスになる理由
日本の税制には「所得控除」という仕組みがあります。簡単に言うと、「一定の支出があった場合、その分を収入から差し引いて、税金の計算ベースを下げる」制度です。
医療費控除はその一つ。年間の医療費が10万円を超えた分を、収入から差し引いてもらえる制度です。
たとえば年収500万円で医療費が20万円かかったとすると:
- 控除の対象:20万円 − 10万円 = 10万円
- この10万円に税率(約20%)をかけた約2万円が、税金の還付として戻ってきます
「高い医療費」は家計への痛みですが、節税のチャンスにもなり得ます。
なぜ多くの人が使っていないのか(3つの原因)
① 「10万円なんて超えない」と思っている
確かに健康な人は超えにくいかもしれません。でも、家族全員分の医療費を合算できることを知らない人が多いです。
夫婦+子どもがいる家庭なら、それぞれのちょっとした病院代を合計すると10万円に近づくことは珍しくありません。
② 領収書をとっていない
「捨ててしまった…」という方も多いですが、健康保険組合や会社の保険証でわかる「医療費のお知らせ」でも申告できます(2021年分以降から、明細書の提出が原則不要になりました)。
今年からでも領収書をひとつの封筒にまとめる習慣をつけましょう。
③ 確定申告が怖い・面倒に感じる
会社員は「確定申告は関係ない」と思いがちです。でも医療費控除だけなら、国税庁のe-Taxサイトで必要事項を入力するだけ。スマートフォンのマイナンバーカードがあれば自宅で完結します。
医療費控除の仕組みを正確に理解する
控除の計算式
医療費控除額 = (実際に支払った医療費 − 保険金などで補てんされた額)− 10万円
※総所得金額が200万円未満の場合は「10万円」の代わりに「総所得金額×5%」の低い方が適用
何が対象になる?
対象になるもの(代表例)
- 病院・歯科・整骨院の診察・治療費
- 処方された薬(調剤薬局での購入)
- 治療のための入院・手術費用
- 通院の交通費(電車・バスの実費。タクシーは原則緊急時のみ)
- 介護保険サービスの自己負担分(一部)
- 妊婦健診・出産費用(分娩費用から出産育児一時金を差し引いた額)
対象にならないもの(注意!)
- 美容目的の治療(ホワイトニング、レーザー脱毛など)
- 予防接種(インフルエンザ・コロナワクチンなど)
- 健康診断・人間ドック(病気が発覚してその後治療した場合は対象)
- ビタミン剤・サプリメント・健康食品
- 自家用車での通院ガソリン代・駐車場代
家族分をまとめて申告できる
生計を一にする家族全員分の医療費を合算できます。夫婦・子ども・同居の両親など、一緒に生活費を出し合っているなら対象です。
家族の中で収入が多く、税率の高い人が申告すると、戻ってくる税金が多くなります(税率が高いほど控除の効果が大きいため)。
計算例:いくら戻ってくる?
家族3人の場合(夫婦+子ども1人)
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 夫:歯科治療(インプラント等) | 80,000円 |
| 妻:婦人科・内科の診察・薬 | 45,000円 |
| 子:小児科・耳鼻科・予防接種以外の治療 | 30,000円 |
| 合計 | 155,000円 |
控除額:155,000円 − 100,000円 = 55,000円
年収600万円(所得税率20%)の方が申告した場合: 55,000円 × 20% = 約11,000円の税金還付
さらに翌年の住民税も下がるため、実質的な節税効果はもう少し大きくなります。
セルフメディケーション税制も選択肢に
2026年からさらに使いやすくなった「セルフメディケーション税制」も覚えておきましょう。
こちらは、指定された市販薬(スイッチOTC医薬品)の購入額が12,000円を超えた場合に控除が受けられる制度です。
通常の医療費控除(10万円ハードル)に届かない年は、こちらが使えることがあります。ただし通常の医療費控除とはどちらか一方を選択する必要があります。
対象の市販薬はパッケージに「セルフメディケーション税制対象」と記載があるので確認してみてください。
今すぐできる具体的アクション3つ
① 今日から領収書を一か所にまとめる
かかった病院や薬局の領収書を封筒一つにまとめましょ。「今年の医療費」と書いた封筒を財布の近くに置くだけで習慣になります。今年の1月分からさかのぼれるので、今日から始めれば十分間に合います。
② 「医療費のお知らせ」を活用する
毎年1〜2月ごろ、健康保険組合から「医療費のお知らせ」が届きます(または加入の健保のマイページで確認可能)。これを使えば領収書なしでも申告できます。
ただし、10〜12月分が反映されていないケースがあるので、その分は自分で補完する必要があります。
③ 過去5年分を確認する
医療費控除の還付申告は申告期限から5年以内であれば申告できます。
2021年〜2025年分の申告がまだ済んでいない場合は、税務署やe-Taxで申告が可能です。特に出産や手術があった年は金額が大きくなりやすいので、ぜひ確認してみてください。
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まとめ:医療費控除は「払いすぎた税金を取り戻す」制度
医療費控除は難しい制度ではありません。要点は3つです。
- 家族全員の医療費を合算して10万円を超えたら申告対象
- 収入が多い方(税率が高い方)が申告すると節税効果大
- e-Taxで自宅から完結、過去5年分もさかのぼれる
今年かかった医療費の領収書を集め始めるのは今日からでも間に合います。来年の確定申告シーズン(2027年2〜3月)に向けて、今から準備しておきましょう。
「払っている税金を合法的に取り戻す」のは、立派な節税です。難しく考えず、まず領収書を一つの封筒に入れるところから始めてみてください。
参考情報
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。税制は変更になる場合があります。申告にあたっては税務署や税理士にご確認ください。