副業の労働時間通算、労基法改正は先送りに
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【追記:2026-09-13】この記事の当初版は「2026年に改正される」前提で書かれていましたが、事実と違っていました。 労働基準法の改正案は、2026年通常国会への提出が見送られています(日本経済新聞ほか。最終確認日:2026-09-13)。労働時間通算の見直しは議題として残っていますが、施行日は決まっていません。当面は現行ルールのままです。 該当箇所を修正しました。
「副業を始めたいけど、会社がなかなか許可してくれない」 「そもそも副業の申告って、どうすればいいの?」
そんな悩みを抱える30代の方に向けた記事です。副業・兼業の「労働時間通算」を見直す議論は数年前から続いていますが、2026年9月時点で法改正には至っていません。
見直しの核は「割増賃金の通算をやめる」という点。実現すれば企業が副業を許可しやすくなりますが、まだ検討段階です。
今の制度がどうなっているか、そして施行を待たずにできる準備を整理します。
副業を阻んでいた「労働時間通算ルール」とは?
現行の労働基準法では、副業・兼業を行う場合、本業と副業の労働時間を合計して管理するというルールがあります。
たとえば、本業で週35時間働いている会社員が副業で週10時間働いた場合、合計45時間となり、法定労働時間(週40時間)を5時間超えます。この5時間分の割増賃金(残業代)を、後から契約した副業先の会社が支払わなければなりません。
一見シンプルに見えますが、これが実際には複雑な問題を引き起こしていました。
副業先の企業は、本業での労働時間を把握しなければなりません。しかし外部の会社の勤務実態を正確に把握するのは難しく、場合によっては事実と異なる申告になるリスクもあります。
結果として、多くの企業は「副業・兼業禁止」もしくは「申請制で実質禁止」を続けてきました。
「本当はやりたいけど、ルールが複雑で許可が出ない」——これが副業を阻む見えない壁だったのです。
議論されている見直し案の3つのポイント
政府が検討しているのは「副業・兼業の労働時間通算ルールの見直し」です。2025年1月に厚生労働省の研究会が報告書を公表し、方向性として以下が示されました。いずれも法案化されていない検討段階の内容です。
ポイント①:割増賃金の通算をやめる案
見直し案では、事業主が異なる場合、各会社が自社での労働時間のみに基づいて残業代を計算する仕組みになります。
本業での残業は本業の会社が支払う。副業での残業は副業先が支払う。シンプルになることで、企業の管理負担が大幅に軽くなります。
副業先の企業が「あなたの本業の労働時間」を把握する必要がなくなるため、副業許可のハードルが下がると見られています。
ポイント②:健康管理のための通算は残す案
割増賃金の通算はやめる方向ですが、健康確保の観点からの労働時間管理は維持する案になっています。
つまり「残業代の計算は別々」でも、「長時間労働で体を壊さないための管理」は引き続き行われます。副業を始める際には、自分の体調管理を最優先に考えることが大切です。
ポイント③:2026年通常国会への提出は見送られた
ここが当初版から変わった点です。労働基準法の改正案は、2026年通常国会への提出が見送られました(2026年1月)。約40年ぶりの大改正として準備されていましたが、成長戦略会議の議論を踏まえて仕切り直しになっています。
見直しの論点そのものは残っています。連続勤務の上限、勤務間インターバルの義務化、週44時間特例の廃止などとあわせて、副業・兼業の割増賃金の通算見直しも引き続き議題です。ただし次の提出時期は決まっていません。
つまり、いま副業をするなら現行の通算ルールが適用されます。 制度が変わるのを待つより、今のルールの中で動ける範囲を確認するほうが確実です。
副業が解禁されても「確定申告」は変わらない
ルールが変わっても、副業収入に関する税務はこれまでと変わりません。
副業収入が年間20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。これは現在も、改正後も変わらないルールです。
初めて確定申告をする方にとって、これが一番のハードルになることも多いです。「いくら稼いだか」「どんな経費がかかったか」を日頃から記録しておくことが、後の確定申告をラクにしてくれます。
副業収入の管理には、家計管理アプリを活用するのがおすすめです。銀行口座やカードと連携して、収入・支出を自動で記録してくれるので、記録習慣づくりの第一歩になります。
※そもそも自分に確定申告が必要かどうか迷っている方は、補足として当サイトの確定申告3問診断で先に確認しておくとスムーズです。
会社員が今から準備すべき3つのこと
法改正の施行を待ちながら、今からできる準備があります。
① 自社の副業規定を確認する
まず、自分の会社が副業をどのように規定しているか確認しましょう。「副業禁止」の会社でも、法改正の流れを受けて規定を見直す企業が増えています。
人事部や社内規程を確認し、「申請すれば認められる可能性があるか」を把握しておきましょう。
② 副業収入の記録習慣をつける
副業が解禁されたとき、すぐに動けるように、収入・支出の記録習慣を今から作っておきましょう。
クラウドサービスを使えば、確定申告の書類作成まで一貫してサポートしてくれるので、初心者でも安心です。
③ 副業の「種類」を見極めておく
副業には大きく分けて2種類あります。
・雇用型の副業(アルバイトなど):給与所得として扱われ、年末調整が必要です。
・業務委託型の副業(フリーランスなど):事業所得または雑所得として扱われ、確定申告が必要です。
どちらを選ぶかによって、税務処理の方法が変わります。自分がどちらに当てはまるかを理解しておくと、後の手続きがスムーズです。
副業収入の目安:年20万円で確定申告ラインを超える
副業収入が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要になります。
月に換算すると約16,700円です。クラウドソーシングやフリマアプリの売上も合算されるので、複数の副業を掛け持ちしている方は特に注意が必要です。
確定申告の仕組みや、自分に必要かどうかの判断に迷っている方はこちらのツールが役立ちます。
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まとめ:制度待ちではなく、今のルールで動く
副業・兼業の労働時間通算の見直しは、実現すれば環境を大きく変える内容です。ただし現時点では法改正に至っていません。
- 労基法改正案は2026年通常国会への提出が見送られた(施行日は未定)
- 割増賃金の通算をやめる案は議題として残っている
- 当面は現行の通算ルールが適用される
- 副業収入の税務ルール(年20万円超で確定申告)は変わらない
- 今からできる準備は「社内規定の確認」「収入記録習慣」「副業種類の把握」
制度の変更を待つ間も、社内規定の確認と記録づくりは進められます。まずは自社の副業規定を確認することから始めてください。
参考情報
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。