投資・NISA

含み損の株、年内に売るなら12月28日まで

※本サイトの記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります


※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

2026年の利益と相殺できる売却は、国内株なら12月28日(月)の約定が最後です。29日と30日に売ると受渡日が2027年1月4日になり、来年分の取引として扱われます。

**今年すでに利益を確定している人が、含み損の株を10万円分の損で売ると、税金20,315円が戻ります。**特定口座(源泉徴収あり)なら、還付は売却した株の受渡日に口座へ自動で入ります。

ただし、同じ日に買い直すと計算上の損が小さくなる落とし穴があります。NISA口座の損はそもそも相殺できません。この記事では、10月から年明けまでにやることを時期の順に並べます。

損出しで戻るお金の計算

損出しとは、値下がりしている株や投資信託を売って損を確定させ、同じ年の利益と相殺することです。上場株式の売却益には20.315%の税金がかかります(所得税15.315%と住民税5%の合計)。

例として、次の会社員Aさん(架空)を考えます。

  • 特定口座(源泉徴収あり)で、2026年春に株を売って30万円の利益を確定した
  • 確定時に、税金60,945円が源泉徴収されている
  • 別に持っている銘柄に、10万円の含み損がある

Aさんが12月に含み損の銘柄を売ると、年間の利益は30万円から20万円に減ります。税金は40,630円で済むため、差額の20,315円が戻ります。

項目売らない場合損出しした場合
年間の売却益30万円20万円
かかる税金60,945円40,630円
戻る税金なし20,315円

**損出しは「損を取り返す方法」ではなく、払いすぎた税金を戻す方法です。**含み損そのものは、売っても売らなくても変わりません。今年の利益がゼロの人は、売っても今年戻る税金はありません(後半の繰越控除の節を参照)。

税率と期限は2026-10-01に国税庁と証券各社の案内で確認しました。

10月にやること 今年の損益を見る

最初にやるのは、今年すでに確定した損益の確認です。証券会社のサイトにある「譲渡益税明細」や「実現損益」の画面で、年初からの合計が見られます。

確認するのは次の3点です。

  • 年初から確定した売却益の合計
  • 源泉徴収された税金の合計
  • 特定口座で受け取った配当金と、引かれた税金

**相殺する相手がいない損出しは、今年の税金を1円も減らしません。**合計がマイナスなら、10月の段階で損出しを急ぐ理由はありません。

11月にやること 売る候補を絞る

11月は、含み損のある銘柄を一覧にして、売る候補を決めます。このとき外すものが2つあります。

NISA口座の銘柄は、候補から外します。国税庁のタックスアンサーNo.1474によると、NISA口座で生じた損失は損益通算と繰越控除の対象外です。NISAの銘柄を売っても税金は戻らず、使った枠が戻るのも翌年です。

手放す気のない銘柄を「売りっぱなし」にする計画も外します。損出しの後に同じ銘柄を買い直す人は多いですが、買い直すまでの間に値上がりすると、その分は取り戻せません。

配当金と相殺したい人は、配当の受け取り方も確かめます。野村證券のFAQによると、国内株の配当を特定口座で相殺するには「株式数比例配分方式」を選んでおく必要があります。銀行や郵便局で受け取る方式のままだと、配当の税金は戻りません。

12月上旬にやること 売って翌日以降に買い直す

売却は、年末の混雑を避けて12月上旬から中旬に済ませるのが安全です。12月28日はあくまで国内株の最終日で、余裕を持たせる日ではありません。

ここで一番多い失敗が、売ったその日に同じ銘柄を買い直すことです。特定口座では、同じ日に売買した場合は「買いが先」とみなして取得単価を平均します(マネーポストの解説による)。

取引想定した損実際に計算される損
1,000円で100株買った株を、600円で100株売る4万円4万円
同じ日に600円で100株買い直す4万円のまま2万円に縮む

同じ日に買い直すと、取得単価は1,000円と600円の平均の800円になります。売った100株の損は1株200円、合計2万円です。同じ日の買い直しで、確定できる損が半分になります。

避ける方法は2つあります。

  • 買い直しを翌営業日以降にずらす(1日分の値動きは受け入れる)
  • 信用口座を持っている人は、現物売りと信用買いを同じ日に入れる「クロス取引」を使う

クロス取引は信用取引の口座開設が前提で、金利や手数料もかかります。信用取引をしたことがない人が、損出しのためだけに始める必要はありません。

12月28日 国内株の最終約定日

2026年の国内株の年内受渡は、12月28日(月)の約定までです。国内株の受渡日は約定日から数えて3営業日目のため、28日の約定は30日に受け渡されます。

約定日受渡日何年分の取引か
12月28日(月)12月30日(水)2026年分
12月29日(火)2027年1月4日(月)2027年分
12月30日(水)2027年1月5日(火)2027年分

投資信託と米国株は、受渡日の数え方が国内株と違います。投資信託は商品ごとに受渡までの日数が異なるため、売る前に証券会社の「年内受渡の最終日」の案内を必ず確認してください。

年明けにやること 還付と確定申告

特定口座(源泉徴収あり)では、売却益の税金は取引のたびに計算されます。三菱UFJモルガン・スタンレー証券のFAQによると、損を出して還付が発生した場合は、売った銘柄の受渡日に口座へ戻ります。

配当金の税金は時期が違います。野村證券のFAQでは、売却損と配当の相殺は年末にまとめて行われ、還付は翌年の最初の営業日に入金されると案内しています。

次の人は、2027年の確定申告が必要になる場合があります。

  • 楽天証券とSBI証券のように、複数の証券会社で利益と損が分かれている人(口座をまたいだ相殺は自動では行われません)
  • 年間で損が残り、来年以降に繰り越したい人

国税庁のタックスアンサーNo.1474によると、上場株式の売却損は確定申告をすれば翌年以降3年間繰り越せます。**繰越控除は、取引がない年も毎年申告を続けないと途切れます。**一度申告した人は、2年目以降の申告を忘れないよう手帳に書いておきます。

損出しで変わらないこと

損出しで戻る20,315円は、税金がなくなったのではなく後ろにずれたお金です。600円で買い直した株が将来1,000円に戻って売れば、その差額に税金がかかります。

それでも損出しに意味があるのは、戻ったお金を今使えるからです。翌年以降に利益が出なければ、ずれた税金を払う場面も来ません。

これから投資を始める人は、口座を作るときに「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおくと、こうした計算と還付を証券会社に任せられます。

SBI証券も、特定口座(源泉徴収あり)とNISA口座を同時に申し込めます。どちらを選んでも、損出しの仕組みと期限は同じです。

あわせて読みたい

参考情報

税制や年末の受渡スケジュールは変わることがあります。最新の内容は国税庁と各証券会社の公式サイトでご確認ください。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。