給付奨学金、10月に止まるかは9月にわかる
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給付奨学金を受けている家庭にとって、9月は結果が出る月です。日本学生支援機構(JASSO)は、2026年10月分から2027年9月分までの支援区分を、9月4日以降に順次公開しています(最終確認日:2026-09-14)。
先に結論を書きます。10月の振込額は、もう決まっています。決めたのは2026年4月の在籍報告で出した情報と、2026年度の住民税情報です。まだ確認していないなら、やることは額を確認することと、想定と違った場合に窓口へ申し出ることの2つだけです。
この記事でわかることは3点です。
- 支援区分をどこで、どう見るか
- 区分が1つ下がると月額がいくら減るか
- 想定と違ったとき、誰に何を言うか
9月4日から見える新しい支援区分
確認場所はスカラネット・パーソナルです。ログイン後、「詳細情報」を開き、給付奨学生番号を選び、「支援区分適用履歴」を見ます。画面に2026年10月からの区分が表示されます。
見直しが終わった人から順に公開されるため、9月中旬でもまだ出ていないことがあります。在籍報告が遅れた場合や、マイナンバーの処理が終わっていない場合は、支援区分が未決定のまま残ります。未決定は「対象外」とは違います。表示が出ないまま9月末が近づいたら、学校の奨学金窓口に状況を聞いてください。
適用されるのは2026年10月分から2027年9月分までの1年間です。ここで決まった額が、次の夏まで続きます。
区分が1つ下がったときの月額
支援区分は第I区分から第IV区分まであり、第I区分が最も手厚い区分です。第I区分の月額は、学校の設置者と通学形態で分かれます(日本学生支援機構「給付奨学金の支給額」・2026-09-14確認)。
| 通学形態 | 国公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 自宅 | 29,200円 | 38,300円 |
| 自宅外 | 66,700円 | 75,800円 |
第II区分は第I区分の約3分の2、第III区分は約3分の1、第IV区分は約4分の1です。
私立・自宅外で考えます。第I区分の75,800円が第II区分になると、月額は約5万円です。差は月およそ2万5千円、1年では約30万円になります。第III区分まで下がれば月額は約2万5千円で、年の差は約60万円に広がります。
下がるのは奨学金だけではありません。支援区分は授業料等の減免額にも連動します。第一種奨学金を併せて借りている人は、併給調整によって貸与月額が変わることもあります。減った額を数えるときは、この3つを並べてください。
支援対象外なら1年間ゼロ
家計基準を満たさないと判定された場合、給付奨学金は2026年10月分から2027年9月分まで振り込まれません。月額が減るのではなく、1年間止まります。
止まるのは奨学金だけではありません。高等教育の修学支援新制度による授業料等の減免も、同じタイミングで受けられなくなります。後期の学費の請求書が届く前に、いくら自己負担になるのかを学校に確認しておく必要があります。
家計基準は収入基準と資産基準の2つです。片方でも外れると非該当になります。
収入が同じでも下がる5つの理由
「去年と収入は変わっていないのに区分が下がった」という相談は毎年出ます。JASSOが挙げている理由は次のとおりです。
- 住民税情報には収入だけでなく控除の状況も反映される
- 控除額が変われば判定に使う数字が変わる
- 生計維持者が変わった
- 生活保護の生活扶助を受けていた期間の有無が変わった
- 直近に申告した資産が基準を超えた
判定に使われるのは「そのとき確認できる最新の住民税情報」です。今年の春に収入が落ちたとしても、住民税にはまだ反映されていません。支援区分は、今の家計ではなく1年以上前の家計を見ています。
資産に含まれるNISAの残高
見落とされやすいのが資産基準です。学生本人と生計維持者2人の資産の合計が5,000万円未満であることが条件になります。
資産に含めるものと含めないものは、はっきり分かれています。
含めるもの
- 現金、普通預金、定期預金
- 株式や国債などの有価証券
- 投資信託(NISAで買った分も含む)
- 金や銀など投資用の貴金属
- 満期を迎えた、または解約した保険金
含めないもの
- 土地や建物などの不動産
- 住宅ローンなどの負債
- 掛け金を払っている最中の貯蓄型生命保険や学資保険
新NISAで積み立てた残高も、資産として数えられます。相場が上がった年は、入金額を増やしていなくても評価額だけで基準に近づきます。教育費をNISAで貯めている家庭は、申告する年の残高を先に把握しておいてください。積立の方針そのものは子どもの教育費を新NISAで貯める3つの理由にまとめています。
なお、次に資産を確認されるのは2027年4月の在籍報告です。
想定と違ったときの窓口の順番
順番を間違えると時間を失います。
1つ目は学校の奨学金窓口です。 課税証明書の内容や在籍報告の記載など、個別の事情を確認できるのは在学している学校です。税の更正で住民税額が変わった場合の手続きも、学校を通します。
2つ目はJASSOの奨学金相談センターです。 電話番号は0570-666-301、受付は平日9時から20時です。学校で解決しない制度上の疑問はここで聞きます。
自分で先に検算したい場合は、JASSOが公開している支給額算定基準額の判定ツールを使えます。区分の境目は支給額算定基準額で決まっています。第I区分が100円未満、第II区分が100円以上25,600円未満、第III区分が25,600円以上51,300円未満、第IV区分が51,300円以上154,500円未満です(2026-09-14確認)。自分の数字がどの帯に落ちているかがわかれば、窓口での話が早く進みます。
家計が急変した人の別ルート
生計維持者の死亡、事故、病気など、予期できない事由で家計が急変した場合は、家計急変採用という別の入口があります。こちらは年間を通じて随時申し込めます。
採用後は3か月ごとに収入状況を確認し、支援区分が見直されます。逆に言えば、収入が戻れば支給も止まります。
注意したいのは、家計急変採用で支援を受けている人が、10月の通常の見直しで区分を下げられるケースです。判定に使うのが前の年の住民税情報である以上、急変前の収入で判定される可能性があります。心当たりがあれば、9月のうちに学校へ事情を伝えてください。
減った分をどこから出すか
区分が下がった、または止まったと分かったら、次に決めるのは穴埋めの順番です。第二種奨学金の追加、大学独自の給付制度、授業料の延納・分納、教育ローン。どれを使うかで、卒業後に残る返済額が変わります。
家計全体を見ずに借入額だけ増やすと、親の老後資金を削ることになりかねません。教育費と老後資金の優先順位を一度整理したい場合は、無料のFP相談で第三者に数字を見てもらう手もあります。
振込日までに確かめる3つ
- スカラネット・パーソナルの「支援区分適用履歴」で、2026年10月からの区分を見る
- 区分が変わっていたら、奨学金の月額・授業料等の減免額・第一種の貸与月額の3つを並べて、後期に足りない額を出す
- 想定と違う、または未決定のままなら、学校の奨学金窓口に問い合わせる
確認しなくても10月の振込は実行されます。損をするのは、申し出れば直せたはずの誤りに気づかないまま1年が過ぎる場合です。
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参考情報
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。