家計管理

花粉症の処方薬、2027年3月から薬代が約1.6倍に

※本サイトの記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります


※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

2027年3月から、病院でもらう薬のうち市販薬とほぼ同じ77成分に、追加の支払いが始まる予定です。追加分は薬剤費の4分の1で、ふだんの窓口負担とは別にかかります。3割負担の人なら、薬代の部分は今の約1.6倍になります。

対象には、花粉症の飲み薬として広く使われるフェキソフェナジンやロラタジンが入っています。2〜4月だけ飲む使い方なら、追加負担の対象です。ただし18歳年度末までの子どもや入院中の処方などは、追加負担がかかりません。

この記事の制度内容は、厚生労働省の2026年8月27日の資料と9月の報道に基づきます(最終確認日:2026-10-01)。細かな運用は、施行までに変わる可能性があります。

追加でかかるのは薬剤費の4分の1

追加でかかるのは「特別の料金」と呼ばれるお金で、金額は対象の薬の薬剤費の4分の1です。残りの4分の3には、これまでどおり保険が使えます。

厚生労働省の資料では、この仕組みを「一部保険外療養」と呼んでいます。2026年5月に成立した健康保険法などの改正法で作られ、2027年3月の施行を想定しています。日本経済新聞は9月、対象が77成分・1,042品目に決まり、2027年3月1日に始まる予定だと報じました。

計算の順番は次のとおりです。

  1. 対象の薬の薬剤費から、4分の1を「特別の料金」として全額払う
  2. 残りの4分の3に、ふだんの負担割合(1〜3割)をかけて払う
  3. 診察料や調剤の手数料(技術料)は、今までどおり

たとえば薬剤費が1,000円の場合、3割負担の人は今まで300円でした。施行後は特別の料金250円と、残り750円の3割の225円で、合計475円です。薬代の部分だけを見ると、負担は30%から47.5%に上がります。

この475円には消費税を入れていません。厚生労働省の資料には「選定療養に係る特別の料金には別途消費税がかかっている」との注記があります。一方で業界紙は、厚生労働省が追加負担分を非課税にするよう要望していると報じています。消費税の扱いは、この記事の時点では決まった情報を確認できていません。

1割負担の人ほど倍率が大きい

負担の増え方は、窓口負担の割合で変わります。4分の1の部分は全員が全額払うため、もともとの負担割合が低い人ほど倍率が大きくなります。

窓口負担今の薬代の負担施行後の薬代の負担倍率
3割薬剤費の30%薬剤費の47.5%約1.6倍
2割薬剤費の20%薬剤費の40%2倍
1割薬剤費の10%薬剤費の32.5%約3.3倍

表の数字は「25% + 残り75%×負担割合」で計算したもので、消費税は含みません。厚生労働省の資料にある3割負担の試算例でも、540円が855円、45円が72円と約1.6倍になっています。

**30代の本人は3割でも、1割や2割の親世代のほうが増え方は大きくなります。**湿布や痛み止めをもらい続けている親がいる家庭では、自分の分と分けて考える必要があります。

花粉症の薬は「季節だけ」だと対象

季節性の花粉症で飲み薬をもらう場合は、追加負担の対象になります。厚生労働省の資料にある77成分の一覧には、花粉症で使われる次の成分が載っています。

  • フェキソフェナジン塩酸塩(抗アレルギー薬)
  • ロラタジン(抗アレルギー薬)
  • ベポタスチンベシル酸塩(抗アレルギー薬)
  • エピナスチン塩酸塩(抗アレルギー薬)
  • モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物(アレルギー性鼻炎の点鼻薬)

日本経済新聞の報道では、アレグラ錠・タリオン錠・アレジオン錠が対象の例に挙がっています。自分の薬が入っているかは、お薬手帳の成分名と厚生労働省の成分一覧で確かめられます。

対象外になるのは「通年で50週」から

長く飲み続ける人は、条件を満たせば対象外になります。内服薬の条件は、少なくとも6か月の使用実績があることです。そのうえで、通年の使用(直近の実績を含め少なくとも50週)を医師が医療上必要と認めた場合に限られます。

2〜4月の3か月だけ飲む使い方は、この50週の条件に届きません。季節の花粉症は、追加負担がかかる側の代表例です。

同じ成分でも病名で分かれる

同じフェキソフェナジンでも、処方の目的で扱いが変わります。厚生労働省の資料では、市販薬にない効能で使う場合は追加負担の対象外と整理されています。

  • アレルギー性鼻炎(くしゃみ・鼻水):市販薬と対応するため対象
  • じんましん:市販薬の効能にないため対象外
  • 湿疹やアトピー性皮膚炎に伴うかゆみ:市販薬の効能にないため対象外

対象か対象外かは医師が判断し、処方箋に記載される流れです。薬局では、対象の場合に追加負担の説明を受けてから支払います。

追加負担がかからない人と処方

子どもや入院中の処方など、追加負担を求めない範囲も決まりつつあります。2026年8月の厚生労働省資料で示された整理は、次の図のとおりです。

OTC類似薬 | 2027年3月から

特別の料金がかかる人・かからない人

厚生労働省 2026年8月27日資料の整理(施行までに変わる可能性あり)

特別の料金主な条件
季節だけの花粉症(大人) 2〜4月の内服など × かかる △ 50週の通年使用に届かない
18歳年度末までの子ども ○ かからない ○ 18歳後の最初の3月31日まで
入院中・退院時の処方 ○ かからない ○ 入院中に処方された場合
抜歯後などの痛み止め ○ かからない △ 処置と同日・14日分まで
がん治療中の花粉症 × かかる △ がんと関連が薄い症状は対象
  • ※生活保護受給者、指定難病に関連する治療、国の公費負担医療を受ける場合も対象外
  • ※自治体独自の医療費助成だけを受けている場合は対象になる整理

資産化計画

図のほかに、厚生労働省資料では次の扱いも示されています。

  • 指定難病の患者:指定難病とそれに付随する傷病の治療なら対象外。難病と関係ない症状は対象
  • 国の公費負担医療:その公費負担医療を受ける際の使用なら対象外
  • 自治体独自の助成だけの人:対象になる。子ども医療費助成で窓口が無料でも、18歳年度末を過ぎれば対象
  • 妊娠中・授乳中:市販薬の添付文書で「服用しない」とされる成分(例:イトプリド)は対象外

低所得者のうち対象外と整理されているのは、生活保護受給者です。住民税非課税世帯などは、この資料の時点では対象外の範囲に入っていません。

架空の家庭で2027年春の負担を試算

ここでは架空のモデルで、2027年の花粉シーズンを計算します。会社員(3割負担)が2〜4月に花粉症の飲み薬をもらい、薬剤料が1か月1,800円かかると仮定します。

月ルール薬代の負担
2027年2月今までどおり540円
2027年3月施行後855円
2027年4月施行後855円
合計2,250円

今までのルールなら3か月で1,620円なので、差は630円です。2月から4月まで丸ごと新ルールになる2028年の春は、差が945円に広がります。

この試算は薬代の部分だけで、診察料や調剤の手数料は含みません。技術料は今までどおりなので、受診1回の支払い全体で見ると、増え方は1.6倍より小さくなります。消費税の扱いが決まれば、金額はさらに変わります。

同じ家庭に75歳以上で1割負担の親がいて、同じ1,800円の薬をもらう場合も計算します。1か月180円だった薬代は、施行後585円になります。

市販薬に切り替えるか決める3つの軸

追加負担が始まっても、市販薬にしたほうが必ず安いわけではありません。比べるときは次の3つを見ます。

1. 1か月あたりの総額で比べる

処方薬は、薬代に加えて診察料と調剤の手数料がかかります。市販薬は、薬代だけですが保険が使えません。薬1箱の値段ではなく、1か月に払う総額で比べます。

受診が数か月に1回で済む人と、毎月受診する人では、比べた結果が変わります。

2. 受診をやめてよい症状かを決める

制度の趣旨は、市販薬で対応できる症状の負担を見直すことです。症状の見立てや薬の選び方は、医師か薬剤師に相談して決めます。

花粉症と思っていた症状が別の病気だった、という可能性は自分では判断できません。初めての症状や、例年と違う症状のときは受診を優先します。

3. セルフメディケーション税制を使えるか

市販薬に切り替える場合は、セルフメディケーション税制の対象になるかを確かめます。財務省の「令和8年度税制改正の大綱」では、2027年分から対象の医薬品が広がります。スイッチOTC医薬品の部分は、適用期限を撤廃する見直しも示されています。

この税制は、対象の市販薬を年1万2千円を超えて買った分が、所得から差し引かれる仕組みです。使うには、申告する本人が健康診断や予防接種などを受けている必要があります。条件の詳しい確かめ方は、市販薬の控除、インフル接種が要るのは申告する人だけにまとめています。

2027年3月までにやること

施行まではあと5か月です。今の時点でできることは次の4つです。

  1. お薬手帳で成分名を確かめる:家族の分も含め、いつももらう薬が77成分に入っているかを見る
  2. 親の負担割合を確かめる:1割・2割の家族は増え方が大きい。湿布や塗り薬をもらい続けているかを聞く
  3. 通年で飲んでいる薬は医師に伝える:50週の通年使用に当たるかは医師が判断する。使用実績はお薬手帳などで確認される
  4. 薬代と通院費の記録を始める:処方と市販薬のどちらが安いかは、1年分の支払いを見ないと決められない

外用薬の湿布や保湿剤は、重い症状で通年使う一部の人に限り、2028年度末までの経過措置が予定されています。対象になる条件は狭く、医師の判断が前提です。

薬代の比較は、1年分の支払いを並べると判断しやすくなります。ドラッグストアと薬局の支払いをレシートだけで集めると、12月に探す手間がかかります。カードや口座の支出を自動で取り込む家計簿なら、月ごとの薬代を見返せます。対象品かどうかはレシートで確かめる必要があるため、レシートの保管と組み合わせて使います。

よくある質問

Q. 77成分の薬は保険が使えなくなるのですか?

保険は引き続き使えます。保険から外れるのは薬剤費の4分の1だけで、残りの4分の3には保険が使えます。「保険適用外になる」という言い方は、制度を正しく表していません。

Q. 子どもの花粉症の薬にもかかりますか?

18歳に達した日以後の最初の3月31日までは、追加負担がかかりません。高校3年生の年度末までが目安です。翌年度の4月からは、大人と同じ扱いになります。

Q. 高額療養費の計算に入りますか?

特別の料金は保険給付の外のお金です。高額療養費の計算でどう扱うかは、この記事の時点で厚生労働省の最終的な案内を確認できていません。施行前に公表される案内で確かめてください。

Q. 2027年3月より前にまとめて処方してもらえば得ですか?

処方日数は医師が症状に合わせて決めるもので、制度の開始に合わせて増やすものではありません。また、特別の料金は施行後の処方に対してかかる仕組みのため、必要な分を必要なときにもらうのが前提です。

Q. 対象の成分は今後増えますか?

増える可能性があります。厚生労働省の資料には、2027年度以降に対象範囲の拡大と、特別の料金の割合の引き上げを検討すると書かれています。

あわせて読みたい

参考情報

※本記事は制度の情報提供を目的としたもので、医療上の判断を示すものではありません。薬の変更や受診の判断は、医師・薬剤師に相談してください。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。